Written by Yuhei Yano
今回の注目ベンチャーの紹介はStarfire Energyです
革新的触媒技術を用いたグリーンアンモニア製造装置の開発を行っています
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は凸版印刷内のみです※
Starfire Energy
https://starfireenergy.com/
サービス/プロダクト概要
- 革新的触媒技術を用いたグリーンアンモニア(*)の製造
(*)再生エネルギー電力、水、空気を原料とし、製造時にCO2を排出しないプロセスで製造されたアンモニアのこと
特徴/提供価値
- 触媒技術を用いて、低圧・省エネルギーな分散型グリーンアンモニア製造とアンモニア(NH3)を水素と窒素に分解するクラッキングシステムを開発している
- 再生可能エネルギーを用いた水の電気分解によって製造した水素と大気中から得られる窒素を合成し、アンモニアを製造・クラッキングするため従来手法よりCO2排出を抑制できる
- 既に確立されたNH3製造プロセスであるハーバーボッシュ法は、
(1)大量の熱とエネルギーを使用する
(2)利用される水素は通常天然ガス改質によるプロセスによって製造されるため、そのプロセスで大量のCO2を排出する
(3)専用の設備と触媒が必要のためコストがかかる
という課題があった - 同社は
(1)低温・低圧での反応を促進する独自の金属製薄膜触媒とハニカム構造の電極基材
(2)分散的な需要地で組立可能で、かつ、再生可能エネルギーの出力変動にも柔軟に対応できるシステム設計
に関するIPを保有し、ハーバーボッシュ法の課題を解決する次世代型NH3製造・クラッキング装置の開発を行う
ビジネスモデル
- 製造システムの販売、ライセンシング、JV
- 本システムにより生成されるアンモニア、水素に対する従量課金も想定
顧客課題・市場動向
- アンモニアは、エネルギー密度がリチウムイオン電池、圧縮・液体水素よりも高く化石燃料に匹敵する有望なエネルギーキャリアとされる
- 燃料としての直接利用以外に水素への転換も可能なため、既に確立されているインフラおよび輸送ネットワークを活用できる、安価で効率的な水素貯蔵・輸送手段として期待される
- 一方で上述の通りハーバーボッシュ法には課題があり環境負荷が高いため、
(1)低温・低圧でCO2排出を抑制しつつピュアでクリーンなH2、NH3の生成を可能にする触媒技術
(2)必要な需要地で低コストで安定的にNH3、H2を供給するシステム
の開発が求められている
顧客・競合・パートナー
- 電力用ガスタービン、大型船、鉄鋼やセメント、産業用熱処理などの設備メーカー、プラントオペレーター、最終需要家などが顧客候補となる
- パートナーシップの詳細は明らかでないが、2020年に以降にChevron、Samsung、三菱重工、大阪ガス、IHIなどと資本業務提携を実施し、共同開発・POCなどを行っていると聞く
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は凸版印刷内のみです※
こちらの記事に対するお問い合わせやMTGの依頼などはこちらのアドレスからお気軽にご連絡ください。
TGVPは米国を中心としたスタートアップ企業とTOPPANグループの連携を推進しております。