注目ベンチャー紹介:Quantum Rings

Written by Hiroaki Kawada
今回の注目ベンチャーの紹介はQuntum Ringsです。
Quantumringsは、量子回路の大規模シミュレーションを可能にするSDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)を開発する量子コンピューティング企業です。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

Quantum Rings

https://www.quantumrings.com/

サービス/プロダクト概要

  • 低コスト、待ち時間少で研究者、開発者、企業向けに量子コンピューティングを実用的にするプラットフォームを提供

特徴/提供価値

  • 無料提供による量子コンピューティングの普及:アカデミック利用では最大128キュービット、非商用利用では最大64キュービットまで無料で利用
  • 他社より低コスト:商業利用でも1800-2700万円/年
  • 汎用性が高い:Qiskit(IBM)といっただ表的なオープンソース開発フレームワークと完全な互換性を持ち、主要なオペレーティングシステムで動作可能
図1:Quantum Ringsと他社量子コンピューティングサービス比較

ビジネスモデル

  • 量子シミュレーションソフトをSaaS形式で提供、利用規模に応じたライセンス課金をする

市場動向・なぜこの会社なのか?

  • Quantum Ringsは、現在の量子コンピュータの高コストや待ち時間、エラー率の高さといった課題を解決する実用的なソリューションを提供。特にエラー率が低くく、待ち時間が短い
  • 具体的には2019年のGoogle Quantum Supremacy Experimentの複雑な回路を、32GBのメモリを持つ従来のコンピュータで実行し、線形クロスエントロピー(XEB)スコア0.622(高いほうが良い、0.6-0.9で実用的にかなり良い精度)という数値を達成。このソフトウェアは特許登録済
  • Intel i9 + 32GB RAMでSycamore回路を3時間以内に実行可能
  • NVIDIAとの統合により、GPUを活用した高速なシミュレーションが可能となり、さらなる性能向上が期待できる

顧客・競合・パートナー

  • 顧客:金融・ライフサイエンス・化学・ロジスティクス業界のサービス提供者
  • パートナー:アリゾナ州立大学(ASU)
  • 競合:QUANTINUUM、IQuEra、PASQAL、IonQ、Rigetti、D-Wave
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

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