注目ベンチャー紹介:Oxylus Energy

2024
12
23

Written by Ryo Takei

今回の注目ベンチャーの紹介はOxylus Energyです。
Oxylus Energyは、二酸化炭素を電気化学プロセスによって変換してメタノールを製造する技術を開発しています。

※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

Oxylus Energy

https://oxylusenergy.com/

サービス/プロダクト概要

  • 低温低圧で二酸化炭素(CO2)をグリーンメタノールに変換する電解装置を開発しており、カーボンニュートラルなドロップイン燃料と化学原料を提供します。

図:Oxylus Energyの電解装置 反応式

特徴・提供価値

  • CO2と水を取り込み、1つの電解装置セル内でCO2と水を直接グリーンメタノールに変換する技術を開発している。
  • 同社の電解装置はこのCO2変換を常温常圧で、かつ高い選択性で実行することできる。これは同社が特許出願中のカーボンナノチューブに分散した改質コバルトフタロシアニン系触媒によって可能となっている。
  • 多くのグリーンメタノールは、高温プロセスで製造する合成ガス(シンガス)に水の電気分解で得られるグリーン水素を反応させて生産されている。一方、同社の技術は価格の高いグリーン水素の投入の必要性を回避できるため、大幅なコスト削減が可能となる。
  • 電解装置はモジュール式で機能するように設計されており、簡単に積み重ねて生産量を増やすことができる。同社はこの電解装置を既存のインフラに統合に、現場での炭素利用と燃料生産を実現する。

図:グリーンメタノール生産プロセスの比較

ビジネスモデル

  • 排気ガスや直接大気から回収したCO2を同社が買い取り(または引き取り)、再生可能エネルギーを利用してグリーンメタノールへ変換し販売。

図:Oxylus Energyのグリーンメタノール生産設備 イメージ

なぜ今この会社なのか

  • グリーンメタノールは、排出ガスを98%以上(化石ディーゼル燃料と比較)できる主要な持続可能な燃料および原料であり、船舶や大型エンジンの代替燃料として使用、持続可能な航空燃料(SAF)に変換、石油化学原料や汎用溶媒として使用が可能である。同社の技術は、従来必要であったグリーン水素の投入を回避でき、また高いエネルギー効率によって大幅なコスト削減を実現し、排出削減が難しい産業部門の脱炭素化に貢献する。

顧客・競合・パートナー

  • 顧客:海運・航空会社、石油・ガス会社、化学メーカーなど
  • 競合:CO2電解技術を利用しSAF生産を行うtwelve社(投資済:過去ブログ記事

※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

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