Written by Yuhei Yano
今回の注目ベンチャーの紹介はOKaです。
カーボンクレジット市場に特化した保険商品を提供する保険会社です。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※
Oka
https://carboninsurance.co/
サービス/プロダクト概要
- カーボンクレジット市場に特化した保険商品を提供する保険会社で、企業の脱炭素化支援に重要な役割を果たしている
- パリ協定第6条に基づく対応調整(Corresponding Adjustment)が求められるカーボンクレジットや、リスクの高いプロジェクトの損失をカバーするための保険を提供している
- 主力商品には、規制市場での信頼性向上を図る「Corresponding Adjustment Protect™」や、予期せぬプロジェクトリスクに対する補償を提供する「Carbon Protect™」がある
- これらの保険商品により、企業や投資家は安心してカーボンクレジットの取引に参加できるようになる
特徴/提供価値
- 従来の保険会社とは異なり、カーボンクレジット市場の複雑なリスクに対応するために設計された専門的な保険商品を提供
- 特に、OkaはAIを活用した独自のリスク評価プラットフォームを構築し、カーボンクレジットの発行リスクや価格変動リスクを精緻に分析
- また、ロイズ市場を活用することで、グローバルな保険ネットワークと再保険能力を備えたシンジケートを通じて、幅広いカーボンクレジット市場に対応できる
- こうした技術と国際的なネットワークを組み合わせ、Okaは顧客に対して透明性と信頼性の高い保険サービスを提供することを目指している
ビジネスモデル
- 主に、保険販売による手数料収入(Commission / Fee income)と資本運用による利息収入(Interest income)から成り立っている
- 手数料収入は、Okaが提供する保険商品やカーボンクレジットの取引仲介に伴うもので、これによりクレジットの売り手や投資家は安心して取引を行える。
- 利息収入はFAL(Funds at Lloyd’s:ロイズ市場)の資金運用からなるもので、運用は低リスクの債券や株式を中心に行われ、利息や配当収入が得られることで、Okaの保険引受リスクを財務的に支える構造になっている
市場動向・なぜこの会社なのか?
- 気候変動問題の深刻化とともに、企業が自社の排出量を削減するためにカーボンクレジット市場への依存が高まっている
- パリ協定に基づく目標達成や、CORSIA(国際航空のカーボンオフセットスキーム)のような規制も強化され、今後さらに市場が拡大することが予測されている
- しかし、カーボンクレジット市場はまだ未成熟で、規制や信頼性の観点から多くのリスクが伴う
- Okaは、こうしたリスクに対応する革新的な保険商品を通じて、カーボンクレジット市場の安定と透明性を提供しており、企業や投資家が安心して市場に参加できる基盤を構築を目指している
顧客・競合・パートナー
- 顧客:主にカーボンクレジットのプロジェクトデベロッパー(クレジットの発行元)や投資家になる。こうした顧客は、カーボンクレジット市場での信用力を高めるため、Okaの保険商品を利用してリスクを軽減できる
- パートナー:old Standard(認証機関)、Xpansiv(取引所)、RMB(投資家)などの企業とパートナーシップを結び、市場全体の信頼性を向上させるためのエコシステムを構築している
- 競合: カーボンクレジット市場向けの保険商品を提供するKita、CarbonPool、We2sureなどがあり、これらの企業も異なるアプローチでリスク管理を支援している
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※
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