Written by Ryo Takei
今回の注目ベンチャーの紹介はLuminopiaです。
Luminopiaは、小児弱視患者向けのデジタル治療を目的としたVRコンテンツを開発・提供しています。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※
Luminopia
https://www.luminopia.com/
サービス/プロダクト概要
- 主に4〜7歳の弱視や斜視、不同視を患う子ども向けにVRコンテンツを利用したデジタル治療法、治療サービスを提供しています。
特徴・提供価値
- 同社は、VRヘッドセットを介して子どもの視力を改善するデジタル治療薬を提供しており、患者は治療用に修正されたテレビ番組や映画を視聴することで神経視覚治療を受けることができる。
- 子どもの弱視は、視力の発達段階における視神経異常の一つで、治療法は視力の低下した目を訓練するためにアイパッチ(眼帯)を使用する方法が主流である。同社のデジタル治療法は、アイパッチに代わって1日あたり1時間、VRヘッドセットを通じて番組を見ることで、両目を同時に使用できるように矯正してくれる。
- セサミストリートやスポンジボブなどを含む、人気の子供向けコンテンツが700時間以上収録されている。これらコンテンツは、臨床医の監修で設計された同社独自のアルゴリズムによって治療用に視覚修正されており、左右の眼に異なる方法で映し出されて脳への入力バランスが調整されている。
- 臨床試験を経て治療法の安全性と有効性が確立されており、2021年にFDA(米国食品医薬品局)から弱視および一般的な神経視覚障害に対する初のデジタル治療薬として承認を受けている。米国内ではすでに4,000人以上の患者が同社の治療薬の提供を受けている。
ビジネスモデル
- 同社のVRヘッドセットは、眼科専門医から治療指示を受けた子どもへ、処方箋としてオンライン薬局を通じて届く仕組みとなっている。パートナー企業がVRハードウェアとアニメコンテンツを同社へ提供し、同社は独自のソフトウェアで臨床医の監修に基づいて修正した視覚コンテンツを配信するプラットフォームを運営する。患者は治療費として、コンテンツのサブスクリプション料金をオンライン薬局のアプリを通じて毎月支払う。
なぜ今この会社なのか
- 子どもの弱視は視力の発達が障害されることで起き、眼鏡をかけても視力が充分でない状態を指す。子どもの約3パーセントが罹患するといわれており、治療法はアイパッチを使った健眼遮閉が主流で、弱視の眼を強制的に使用させることで視力発達を促すというものである。しかし、視力の良い眼を一定時間覆うアイパッチの着用は子どもが嫌がることも多く、本人と家族への負担が大きいことから、治療時間の確保が難しく治療効果の低下を招きやすいことが課題になっている。同社のデジタル治療薬は、アイパッチによる治療と同等の効果が得られ、かつ患者本人と家族の負担を軽減し、子どもとその家族のウェルネス向上を可能にする。
顧客・競合・パートナー
- 顧客:主に4〜7歳の弱視や斜視、不同視を患う子供の患者
- パートナー:VRハードウェアを提供するPICO、デバイス(処方箋)の発送・登録・支払いプラットフォームを管理するオンライン薬局、子供向けコンテンツを提供するメディア企業
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※
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