Written by Yuhei Yano
今回の注目ベンチャーの紹介はJITXです。
JITXはカスタム回路基板設計の迅速化、低コスト化を実現するソリューションを提供しています。
AIを用いることでこれまで規格化されてこなかった部材情報をライブラリ化し、回路基板設計作業のデジタル化を実現します。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は凸版印刷内のみです※
JITX
https://www.jitx.com/
サービス/プロダクト概要
- カスタム回路基板設計の迅速化、低コスト化ソリューションの提供
特徴・提供価値
- カスタム回路基板設計においては、電源素子等のアナログ系部材はデジタル記述が困難であることに加え、部材メーカーによってデータシート記載レベルが統一されていないため、ライブラリ化することが難しく、ソフトウェアコードによって記述することが困難であった
- 従って、これまではエンジニアの経験値によって部品を調達し組み合わせた後、シミュレーター等で実測して修正を繰り返しながら基板設計をすることが一般的であった
- 同社は回路設計だけでなく、多岐に渡る基板部品のデータシート(アナログ系部材含む)をAIを使いライブラリ化し、コード記述可能な状態にすることにより、カスタム基板設計の迅速化、低コスト化を実現する
ビジネスモデル
- 現在は大手メーカーの試作請負によりライブラリ化を進める
- 中長期的には設計プラットフォーム提供によるSaaSモデルと回路設計のIP化によるライセンスビジネスを構想している
なぜ今この会社なのか
- PCB等のカスタム回路基板設計は一品一様品がそもそも多く、半導体等と比較して実装コストも低いため、前述のような課題は認識されていたものの、設計完了後のテストにより試行錯誤を繰り返すアナログ的な作業の方が結果的に費用対効果が高いと言う側面があった
- 一方、近年は製品ライフサイクルの高速化、多機能化、基板設計等の経験値・リソースに乏しいソフトウェアバックグランドメーカーのハードウェア開発への参入等により、同社のようなソフトウェアを用い開発効率を高めたいというニーズが高まってきている
- 同社はいち早く前述の課題に取り組むことで、基板設計・部材のライブラリ化を進めている。仮に同社がライブラリがデファクト化した場合、部品メーカーが同社ライブラリ仕様に合わせ仕様を定める必要性があり、これまでの業界構造を大きく変える可能性がある
顧客・競合・パートナー
- 受託開発では世界い大手航空宇宙メーカー、重工メーカー等のカスタム基板設計が中心
- SaaSプラットフォームではドローンベンチャー等が利用している
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は凸版印刷内のみです※
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