Written by Issei Kusano
今回の注目ベンチャーの紹介はHeirloomです。
Heirloomは、炭酸カルシウム(石灰石/CaCO3)を利用したDAC(Direct Air Capture)を行い、カーボンクレジットを販売しています。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※
Heirloom
https://www.heirloomcarbon.com/
サービス/プロダクト概要
- 炭酸カルシウムによるDACとカーボンクレジットの販売
特徴・提供価値
- 入手が容易で低価格な炭酸カルシウムを利用したDACを行っており、基本的なDACプロセスは4ステップに分けられる。①炭酸カルシウム(CaCO3)をトレーに敷き詰める。②熱を加えることで、CaOとCO2に炭酸カルシウムが分離し、CO2を回収する。③水を加えることでCaOが水酸化カルシウムとなる。④水酸化カルシウムは再びCO2を吸収し、炭酸カルシウムとなる
- Heiroomの技術の特徴の一つは、通常は水酸化カルシウム(石灰)が再びCO2ろ結合するには数年かかるが、それをわずか3日間で処理する技術を持っている
- 原料として使用する炭酸カルシウムは1トンあたり$10-50と非常に安価に入手が可能。しかし一方でCaCO3を熱するためにエネルギー消費がおきくなる(=コストがかかる)が課題である
- 収集したCO2は地中に固定され、カーボンクレジットが発行される。また、セメント会社(CarbonCure)とも連携し、回収したCO2をセメントの原料として使用する実証も行なっている
ビジネスモデル
- カーボンクレジットの販売
- 回収したCO2の他のアプリケーションへの転用
なぜ今この会社なのか
- 大手企業がネットゼロを表明しており、その達成のためのVCM(ボランタリーカーボンマーケット)が注目されている
- カーボンクレジットの中でも高価だが、質が高い(評価が明確、プロセスモニタリングが可能など)と注目されているのがDACによるカーボンクレジットである
- 米国政府もDACに対しての補助金や税的優遇を行なっている
顧客・競合・パートナー
- 顧客:マイクロソフトと最大315000トンのCO2除去に関する10年契約を実施、Frontier(Stripe、Meta、Shopify、JPMorgan、Mckinsey、Workday、H&M、Autodeskが参加)とも契約
- パートナー:Carbon Cure, Leilac
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