Written by Yuhei Yano
今回の注目ベンチャーの紹介はGraphyteです。
同社はバイオマスを使用して二酸化炭素を永続的に地下に貯蔵できる炭素ブロックを製造しています。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※
Graphyte
https://www.graphyte.com/
サービス/プロダクト概要
- バイオマスを使用して二酸化炭素を永続的に地下に貯蔵できる炭素ブロックの製造
特徴/提供価値
- 同社が所有するアーカンソー州南部の工場は、近隣の製紙工場から出る炭素を多く含むおがくずやその他の木質廃棄物を利用して、何世紀にもわたって地下に貯蔵できる炭素ブロックを製造
- 今年末までに15KトンのCO2を大気から除去するだけの炭素ブロックを製造する計画である
- 原理はシンプルであり、光合成によりCO2を取り込んだバイオマスを焼却・乾燥させて密度の高い炭素ブロックに変換し、環境に優しいフィルムで包み、地下に保管し、モニタリンングする
- 焼却・乾燥によりバイオマスの水分を減少させ、微生物による分解を抑制する。さらに、フィルムで包むことによって、バイオマスが外部環境から隔離され、貯留した後に微生物の活動がさらに制限する
- これにより、バイオマスの中の炭素が安定して保存され、長期間にわたり炭素が大気中に戻るのを防ぐ
- 特徴はDACやバイオ炭、BECCSなどのその他炭素除去技術と比較してそのシンプルな方法からCAPEX、OPEXが安く、800ドル/tほどでCo2を販売できる(DACなどは500-1000ドル/t)
ビジネスモデル
市場動向・なぜこの会社なのか?
- 炭素除去技術(CDR)は各種方法があるが、CAPEX、OPEXをいかに低減させ販売価格を押さえるか、品質(≒Co2除去の適正な計測、トラッキング)の担保が課題
- DACは品質の担保はしやすいが、特に製造コストが高いことが課題である。一方で自然由来の方法は品質の担保に課題がある
- 同社が取り組むバイオマスによるCO2固定化は世界的にも比較的長い歴史を持ち、計測方法も確立されつつある
- 一方でCo2を単に地下貯留するだけで付加価値を生むか、フィルムの環境負荷など検証すべき課題はある
顧客・競合・パートナー
- 顧客:アメリカンエアラインとオフテイク契約を締結済み
- パートナー:製紙工場など(近隣に炭素ブロック製造工場を建てる、もしくは装置のライセンスなどを構想)
- 競合:上記の通りCDRという大きな括りでは多数のアプローチが存在。大手・スタートアップも多数。
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