Written by Yuhei Yano
今回の注目ベンチャーの紹介はGiant Protocolです。
Giant Protocolはブロックチェーンとトークンエコノミー(NFT)を活用した通信帯域のマーケットプレイスサービスを運営しています。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は凸版印刷内のみです※
Giant Protocol
https://giantprotocol.org/
サービス/プロダクト概要
- 通信帯域(典型的には旅行・出張時に利用するeSim)のマーケットプレイス
・特徴/提供価値
- 通信キャリアはホリデーシーズンや緊急時等のピーク需要に合わせて通信インフラを建設するため、資本投下から回収まで時間を要し、全世界で流通する通信帯域の25%($500B)が活用されていないと言われる
- 一方、消費者は、例えば多くの旅行者が訪れない地域や短時間の通信帯域利用需要が発生した際、高品質の通信帯域を安価に・手軽に手に入れたいという需要がある。ただ通信キャリアがROIが低いと判断する帯域は、そもそもサービスを受けられないか、サービス価格が高価に設定される(価格が硬直的になる)という課題がある
- そこで、同社は供給側(通信キャリア)と需要側(消費者)がオンライン上で通信帯域を単に売買するだけでなく、トークンエコノミーを採用することで、NFT価格変動で収益を得ることを期待する投資家を呼び込み、通信帯域取引に市場メカニズムを導入した
- これにより通信帯域取引に流動性を確保し、価格が硬直的になることを防ぐことができる
- 例えば、通信キャリアは余剰帯域を投資家に売却することで早期に流動化(資本コスト回収)することができる。
- また、消費者は多くの通信キャリア、投資家が参加し、NFT市場が活性化することで、適正な受給バランスを反映した価格で通信帯域を購入することが可能になる
- 加えて、一連の取引情報はブロックチェーンにより記録されシステム的に安価・高速・セキュアに取引を実行でき、個人情報を取得することなく取引認証情報のみをブロックチェーンに書き込むことで、GDPRやCCPA等の個人情報保護規制にも対応する
ビジネスモデル
- NFT市場は 初期バリデーターが出資し、ファウンデーション(通信帯域取引市場)として同社からは切り離し独立性を持って運営されている
(NFT市場の一般的な運営形態) - ファンデーションは各通信帯域取引の5%を手数料として得て、その収益を運営費と投資家への利払いに充当する
- 同社はファウンデーションに市場取引システムを提供するという立ち位置をとり定額報酬を得る
なぜ今この会社なのか
- 上述の通り、通信キャリア、消費者の持つ課題をトークンエコノミー、ブロックチェーン技術を採用することで解決を図る
- 未だ事業立ち上げ期であるが、既に中堅通信キャリアが25社以上が市場に参加し200カ国以上の通信帯域を確保。8,000以上の通信帯域取引が行われ、概念実証が行われていること
顧客・競合・パートナー
- 同様のブロックチェーン、トークンエコノミーを活用した通信帯域マーケットプレイスとして、Helium社、Pollen社がある
- 両社は小規模・個人で通信帯域を所有し販売を行うプレイヤー向けのプラットフォーム提供サービスとなる
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