Written by Ryo Takei
今回の注目ベンチャーの紹介はFolia Materialsです。
Folia Materialsは、食品パッケージ向けにプラスチックレスの紙製サセプター(電子レンジ用発熱シート)を可能にする水系コーティング材料を開発しています。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※
Folia Materials
https://www.foliamaterials.com/
サービス/プロダクト概要
- プラスチックフィルムのサセプターに比べ、食品をより美味しく調理することができ、かつ環境への影響を軽減するリサイクル可能な紙ベースの電子レンジ用サセプターを提供しています。
出所:Folia Materials Webサイト
特徴・提供価値
- プラスチックフィルムのサセプターは、アルミニウムの薄膜をPETフィルムに蒸着し、薄紙と貼り合わせたシートで、電子レンジで使用するとマイクロ波を吸収し、誘導加熱の原理によって表面を約200℃で加熱することができる。それに対し同社はプラスチックフィルムを使用せず、銀ナノ粒子を含む水系コーティング材料を直接紙へ塗工し、紙ベースのサセプターを製造する。
- アルミニウムの蒸着は、高真空状態で非常に高い温度をかけて加熱蒸発させる必要があるが、同社の技術は蒸着装置を必要とせず、一般的なロールコーター(塗工装置)を用いた塗工・乾燥により製造することができる。
- プラスチックフィルムは水分や油が浸透しないために食品がふやけて柔らかくなり易い。一方、紙基材は適度に水分や油が浸透するため、調理後の食品の食感・風味が改善し、よりクリスピーな仕上がりになるという。
同社の銀ナノ粒子が塗布された紙の繊維(SEM観察像)
ビジネスモデル
- 同社はロールコーター(塗工装置)を保有しておらず、製造パートナーに委託し製造したコーティング材料を紙器・包装コンバーターなどの顧客へ販売する。
- 創業者らは以前、浄水器用の抗菌・抗ウィルス紙を開発し、さらにマスクなどの衛生用品へ展開している。紙ベースのサセプターは、紙や繊維に銀ナノ粒子を組み込む技術を応用し生まれたという。
出所:Folia Materials webサイト
なぜ今この会社なのか
- 共働きや単身世帯の増加、冷凍食品にできる商品の種類が増えたことで、電子レンジで手早く簡単に調理できる商品のニーズが高まっている。
- パッケージ業界においても、石油由来のプラスチック使用量を削減するため、脱プラスチックの動きが活発化しており、紙を使用した従来包装からの置換えが進んでいる。同社のコーティング材料は、紙ベースの電子レンジ用サセプターを提供し、プラスチック材料からの置換えを可能にする。
顧客・競合・パートナー
- 顧客:食品会社や紙器・包装コンバーター、製紙業社など
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※
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