Written by Yuhei Yano
今回の注目ベンチャーの紹介はEnChargeAIです。
同社はインメモリコンピューティング(IMC)技術を用いた、ハードウェア(チップレット)とユーザーが多様なAIモデルや演算等を効率的に実行できるソフトウェア(プログラムインターフェース)を開発しています。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※
EnChargeAI
https://www.enchargeai.com/
サービス/プロダクト概要
- IMLチップレットとプログラムインターフェース等の開発
特徴/提供価値
- (1)高効率計算: 一般的にIMCはデータをメモリ内で直接処理することでデータの移動を最小限に抑えることで、従来のデジタル処理と比較して100倍以上の計算効率の達成が可能と言われる。一方でアナログ処理における、SNR(信号対雑音比)の向上が課題。同社は金属キャパシタを利用することで、高精度な計算を維持しつつ、ノイズの影響を最小化することができる。
- (2)スケーラビリティ: 同社は異なるプロセスノードとアーキテクチャを用いた連続した設計改良を行ってきた。最新の製品では高密度の配線技術と積層技術を組み合わせることで、スケーラビリティと製造の安定性、性能の一貫性を達成。
- (3)完全プログラム可能: 同社のソフトウェアプラットフォームは高いプログラマビリティを実現。これはユーザーが多様なAIモデルや演算オペレーターを効率的に実行できるようにハードウェアからアプリケーションレベルまで完成度の高いソフトウェアスタックを構築し、プログラムインターフェースを通じて容易に利用できるようにすることで実現。
ビジネスモデル
- AI演算装置(IMLチップレットとプログラムインターフェース)の販売
市場動向・なぜこの会社なのか?
- AI技術の進展に伴い、計算能力とエネルギー効率の両立に対する要求は急速に増大
- 同社はこれらの要求に応えるため、上記に上げた技術的特徴により、他社製品と一線を画したプログラマブル(ユーザーが自由にAIモデルを実行できる)なAI演算装置製品(クライアントコンピューティング製品)を開発
顧客・競合・パートナー
- 顧客:AIを実装した製品の大規模展開を目指す企業や研究機関など
- パートナー:Princeton大学やDARPA(アメリカ国防高等研究計画局)など。(同社はPrinceton大学の電気・コンピュータ工学教授であるNaveen氏他によって設立。2017年から行っていたIMC、特にアナログノイズキャンセリングに関する研究成果を引き継ぎ2021年に会社化)
- 競合:NvidiaやAMDなどの大手AIチップメーカーなど。(一方で現状ニッチのため、大手にとっては直近のターゲットではないと言われる)
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