Written by Hiroaki Kawada
今回の注目ベンチャーの紹介はDeepnightです。
Deepnightは、月明りのないような夜でも動画を撮影できるAIソフトウェアを提供する会社です。
用途は車、スマホ、ドローンのイメージングシステムへの搭載になります。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※
Deepnight
サービス/プロダクト概要
- 月のない曇りの夜でも既存の安価なイメージセンサで明るい画像を生成できるソフトウェア
図1:Deepnightのナイトビジョンイメージ(明るい側がAI合成データ)特徴/提供価値
- 従来のナイトビジョン装置、例えば暗視ゴーグルは高価なNIRセンサを使用し、かつ、その光学部品の選定、設計難易度高さから$3,000程と高額
- Deepnightはスマートフォンにも搭載されている安価なSiCMOSイメージセンサと独自のAI画像生成技術を組み合わせたARヘッドセットを従来の暗視ゴーグルの1/10以下の価格で提供することを可能とする
- またDeepnightのAIモデルは光源を使わずに外光の少ない低照度環境下:0.5mLUX(月のない曇りの夜)でも動画像を生成することができる
- 少ない計算能力及び低消費電力でより鮮明な夜間動画撮影(ナイトビジョン)=リアルタイム動画生成を可能とし、その用途は防衛、ドローン、セキュリティ、自動車など多岐にわたる
- CEOのYoung氏は「今や、ソフトウェアプログラムだけで、世の中のあらゆるものを暗闇でも見えるようにすることができます。それを手頃な価格、適時性、十分な解像度で、です。」とまとめています。
図2:低照度環境下での生データ(左上)とAI生成画像データ(下)
ビジネスモデル
- 夜間撮影用の機械学習モデル、ソフトウェア、ハードウェアの開発・販売
市場動向・なぜこの会社なのか?
- 有力なパートナー企業とスマートフォンのバッテリーサイズでSnapdragonなどのSOCでエッジAIでの推論ができることを目指した計算量と消費電力となる軽量なモデルを開発している
- 米国で2029年までに新車への自動ブレーキ搭載義務化されるがそこに搭載されるナイトビジョンシステムは各社まだ確定しておらず、注目が集まっている技術領域である
- 彼らの軽量なモデルはナイトビジョンをハードウェアの問題ではなくソフトウェアの問題として捉えなおすことで通常のSiCMOSイメージセンサから得られる信号をより機械学習に特化した形で処理するAIソフトウェアを開発している
- この技術の背景にはモデルを最も軽量化できる方式としてイメージセンサの特徴を理解した上でデータ収集方法(信号処理)及び学習方法とノイズキャンセル方法の最適な選択をするためのこれまでの実験結果の積み重ねがある
図3:DeepnightのAIモデル及びハードウェア構成のイメージ顧客・競合・パートナー
- 顧客:スマホ、車、ドローンメーカー各社
- パートナー:Sony, 日本の大手車載部品メーカー(協議中), 米国のAI SOCメーカー(協議中)
- 競合:Microsoft, Meta, 京セラ
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