注目ベンチャー紹介:Ateios

2023
12
4

Written by Yuhei Yano

今回の注目ベンチャーの紹介はAteiosです。

同社はフレキシブルバッテリーの開発及び製造技術のライセンシングを行う会社です。

※取り扱い注意!こちらの情報の展開は凸版印刷内のみです※

Ateios

https://ateios.com/

サービス/プロダクト概要

  • フレキシブルバッテリーの開発及び製造技術のライセンシング
画像出所:同社Webページ

特徴/提供価値

  • 高電流密度で動作可能なフレキシブルバッテリーを製造可能とする技術に特徴
    (例:LoRA,BLEなどの通信機能を備えた医療機器)
  • 特許は大きく(1)電極材料組成、(2)放射線と電子ビーム架橋技術(を用いて製造されたセル及びその構造)、(3)医療機器向けパッチなどアプリケーション、で構成される
  • 電極材料は独自の硬化ポリマーであり、導電性材料と混ぜてスラリー化される。無溶剤化が可能である。
  • 電子ビームは深い浸透力と高いエネルギー変換効率を持つため、物理的な性質を制御しながら電極の固化を迅速に行え、構造の内部まで均一にエネルギーを供給できるため、厚い電極の製造に適する。
  • また、従来のUVドライでは高速コーティングに対応するために長い乾燥ラインが必要であるが、電子ビームを用いた架橋反応は瞬時におきるため、乾燥ラインを省略できるメリットもある
画像出所:同社Webページ

ビジネスモデル

  • 中長期的には医療機器向けパッチなどフレキシブルバッテリーの特徴を活かした自社製品の販売を目指す
  • 短期的には材料・製造技術のライセンシング、コンサルティングサービスを行っている

市場動向・なぜこの会社なのか?

  • 正極や負極の塗布時にバインダーを無溶剤化し、電子ビームを用いたバインダー架橋は、バッテリー製造の分野で注目されている技術である
  • 電子ビームはエネルギー効率が高く、架橋されたバインダーはバッテリー強度や長寿命化に資すると言われる
  • また、乾燥や溶剤回収工程が不要であり、高速処理が可能になるため、スループットを向上させかつ環境負荷が低い
  • 一方で電子ビーム装置が高価であり、取り扱いが難しく初期投資が大きくかかるデメリットが指摘されている
  • また、電子ビーム架橋に適したバインダー材の開発、プロセス条件も研究開発が必要である
  • 同社はすでに某フレキシブルバッテリー製造メーカーと、材料・製造プロセスのライセンス実績があり、独自のポリマーバインダー材、プロセス条件については一定程度確立していると推測される

顧客・競合・パートナー

  • 顧客:短期的にはフレキシブルバッテリー製造メーカー
  • 競合:パナソニック、LG、Kodakなど
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